はじめに――「もしも私が動けなくなったら」 妻が要介護の認定を受けました。いま、家のことはさまざま私が回しています。 そうなると、どうしても考えてしまうのが「もし私が体調を崩して台所に立てなくなったら、食事はどうなるのか」という問題です。介護する側が倒れたときの備えは、介護を受ける人の備えと同じくらい大切です。 調べてみると、三芳町には 「高齢者の配食サービス」 という制度がありました。今回はこの制度の紹介を中心に、利用登録について町に問い合わせたやり取りと、そこで感じたことを書いておきます。 三芳町「高齢者の配食サービス」とは 町のホームページによると、制度の概要は次のとおりです[1]。 対象 65歳以上のひとり暮らしの方/65歳以上の高齢者のみの世帯/日中、高齢者のみになる世帯の高齢者 内容 町の委託業者が 昼食 を自宅に届ける(原則、本人に手渡し) 回数 週3回まで(4回目以降は自費で利用可) 町の補助 1食につき300円(業者へ直接支払われる)。これを超える分が自己負担 安否確認 配達時に安否確認を行う 手続き 「三芳町配食サービス事業利用登録申請書」を福祉課へ提出 この制度の良さは、 食事と見守りが一体になっている 点です。毎回人の手で届けられるので、「今日も元気か」を誰かが確認してくれる。高齢者だけの世帯にとって、これは弁当代以上の価値があります。 委託業者3社――連絡先・自己負担・支払方法 委託業者と価格は、町が公開している価格表(PDF)に載っています[2]。ところが このPDF 、正直に言って非常に読みにくい作りです。 ファイルの情報を見ると、Excelで作った表をそのままPDFに書き出したものでした。A4縦1枚に3社分の表を詰め込み、文字は小さく、配達の曜日や注文の締切、中止の連絡期限といった大事な条件は、表の右端の細い欄に「★」付きの小さな注記として押し込まれています。数字は全角と半角が混在し、社名の一部は半角カナです。スマートフォンで開けば、指で拡大しては横にずらす作業の繰り返しになります。 見る人が高齢者であることを考えれば、これは「公開した」ことにはなっても「伝わる」状態とは言えません。紙に印刷して配る資料の発想のまま、Webに置いているのだと思います。 そこで、各社の公式サイトの情報も加えて、スマ...
町民からの応援と期待 遺族の「わからない」に、町が一歩を踏み出した ── おくやみ手続きナビの導入と、その先に期待すること 三芳町の新しい取り組みを歓迎し、デジタルとAIの進歩を生かした「次の一歩」を、来年度に向けて町民としてお願いします。 三芳町の死亡後の手続き 50件 約4分の質問 あなたに必要な手続き 7件 (架空の例) 家族を亡くしたあと、役所で何をすればよいのか。多くの人は、その時になって初めて向き合います。悲しみの中で、健康保険、介護保険、年金、税金、名義の変更と、次々に現れる手続きの前で戸惑うのは、誰にとっても同じです。 その戸惑いに、三芳町が一つの答えを出しました。株式会社鎌倉新書と協定を結び、Web上で簡単な質問に答えるだけで、亡くなった後に必要な手続き・持ち物・窓口が分かる 「おくやみ手続きナビ」 の提供を始めたのです [1] 。私は、町の新着情報を毎日見回らせているAIの知らせで、このことを知りました。 遺族のだれもが困る場面に、町が手を差し伸べてくれた。まずそのことを、町民の一人としてうれしく思います。この記事では、実際にナビを使ってみた感想と、この取り組みがさらに育っていくための「次の一歩」について、来年度に向けたお願いとして書いてみます。 1 町が踏み出した第一歩 町のページには、「株式会社鎌倉新書と協定を締結し、Web上で簡単な質問に答えるだけで死亡後に必要な手続きを抽出することができるサービス『おくやみ手続きナビ』を提供開始しました」とあります [1] 。町がこのお知らせを出したのは2026年9月28日。担当は住民課です。 三芳町用のナビには、三芳町で起こりうる死亡後の手続きが 50件 並んでいます [2] 。死亡届から、国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険、障害福祉や子育ての手当、年金、税金、車やバイク、不動産、犬の登録、水道・下水道まで。これだけの手続きが一か所にまとまっていること自体に、まず驚きます。回答時間の目安は「4分」です。 町はこれとは別に、紙とPDFの「おくやみハンドブック」も用意しています [3] 。スマートフォンで調べたい人にはナビ、紙で確かめたい人にはハンドブック。二つの入口を用意したことは、デジタルが苦手な方にも配慮した、行き届い...