投資詐欺のお話

NHKのニュースです。
最近は、この種の投資詐欺のニュースが頻繁に流れてきますね。

08月01日 08時53分

どういう心理で退勤を失ってしまうのかをAIに分析してもらいました。一読の価値はあるかもしれません。長文です。

承知しました、まえださん。
SNS投資詐欺の被害者の傾向(特に年齢層や社会的背景)や、なぜそのような詐欺に引き込まれてしまうのかといった心理的要因について調査します。

調査が完了しましたら、実例や統計データ、専門家の分析などを交えてご報告いたします。少々お時間ください。

SNSを通じた投資詐欺の被害者の特徴と心理分析

1. 被害者の年齢層・職業・性別の傾向

図:SNS型投資詐欺の被害者の年齢層分布(被害認知件数ベース)
SNS経由の投資詐欺では50代・60代の被害者が突出しています。警察庁の統計によれば、2024年上半期のSNS型投資詐欺被害者の半数以上が50代・60代で占められています。実際、全国データでは**50代が約29%、60代が約23%**を占め、二者で過半数に達します。高齢者が中心とはいえ、「SNS上が犯罪の舞台となっているため、若い世代にも被害が広がっています」との指摘もあり、20~40代の被害も無視できません。

性別では男女とも被害が生じており、男性がやや多い傾向があります。2024年の警察庁データでは、SNS型投資詐欺の被害者の**男性が54.1%、女性が45.8%**と報告されています。つまり男性被害者が若干多いものの、女性も全体の約半数を占めており、男女問わず狙われていることがわかります。

職業面では公式統計に明確な分類はありませんが、年齢層から推測される傾向があります。50~60代の被害者には退職後の高齢者や主婦、また定年間近の勤労者などが多く含まれると考えられます。実際のケースでも、例えば60歳の主婦が将来の生活資金のため投資を学ぼうとしてSNS詐欺に遭い、300万円以上をだまし取られた例があります。家事や退職後で在宅時間の長い高齢女性は、電話やネット上の勧誘を受けやすく資金管理にも関与しているため被害に巻き込まれやすいとの指摘があります。一方、高齢男性もインターネットやメールを介した詐欺(架空請求等)に遭うケースが多く報告されています。要するに、シニア層(特に50–60代)の男女が被害の中心であり、その中には在宅時間が長い主婦や退職者が多いと考えられます。また近年は若年層や現役世代もSNS上の詐欺に巻き込まれる例が増えており、職業も学生から会社員まで幅広く被害が発生しています。

2. 詐欺に引き込まれる心理的要因・行動パターン

SNS投資詐欺の被害者が陥りがちな心理要因行動パターンとして、以下のような点が専門家や事例から指摘されています。

  • 孤独感や親密さへの渇望: 犯人はSNS上で繰り返しメッセージのやり取りを行い、対面せずに関係を深めて信用させる手口をとります。被害者が日常生活で孤独を感じている場合、SNS上で優しく接近してくる人物に心を許しやすく、詐欺グループとのやりとり自体が心の支えになってしまうことがあります。特にロマンス要素を織り交ぜるケースでは、恋愛感情や承認欲求を満たすことで被害者を引き込み、冷静な判断を鈍らせます。

  • 承認欲求・特別扱いへの弱さ: 犯人は「あなただけに教える」「特別な情報」といった限定感や特別感を演出しがちです。実際の手口でも「『絶対にもうかる』『あなただけに教える』といったダイレクトメッセージ」が送りつけられる例があります。被害者は「自分だけ特別なチャンスを与えられた」と感じ、嬉しさや優越感から警戒心を解いてしまう傾向があります。また、詐欺師が被害者を褒めそやしたり、「センスがある」「投資の才能がある」などと持ち上げることで、承認欲求をくすぐり信用させる場合もあります。

  • 金銭的な焦り・欲望(経済的不安): 「もっと資産を増やしたい」「老後が不安」といった金銭的プレッシャーは、詐欺師につけ込まれやすい心理です。低金利や先行き不透明な経済状況で不安を抱える人ほど、「確実に儲かる」という触れ込みに飛びつきやすくなります。実際、ある60代女性は「100万円の貯金をもっと増やしたい」という思いからSNS上の投資話に手を出し、最終的に1900万円の借金を負う羽目になりました。このケースでは被害者自身、「みんなが利益を出しているのを見て、情けないんですけど、欲が出てしまった…」と振り返っており、儲けたい欲求につけ込まれたことがわかります。詐欺師は「必ず儲かる」「今がチャンス」といった甘い言葉で被害者の金銭欲や焦燥感を刺激し、冷静な判断を奪います。

  • 専門知識や経験の不足: 投資や詐欺の手口に関する知識不足も被害要因です。詐欺師は金融商品や暗号資産の専門用語、もっともらしい説明を用いて素人を煙に巻きます。被害者が投資初心者の場合、「自分は詳しくないから専門家に従おう」と思い込み、相手の指示を疑わなくなってしまいます。例えば「FXの知識がないから損をするだけ。正しく理解すれば資産を増やせます」と説得され、本来慎重であった人が方針転換してしまうケースがあります。知識不足ゆえにリスクの見極めができず、「皆が勧めるなら…」と流されやすくなるのです。

  • 権威への信頼・有名人効果: 人は著名人や肩書ある人物の言葉に弱い傾向があります。SNS投資詐欺ではここに付け込んで、犯人が投資家や有名人、企業の役員など信用できそうな肩書を詐称することが非常に多いです。警察庁の分析によれば、犯人が被害者を騙す際に最も多く名乗った肩書は「投資家」(約35.5%)で、他にも「著名人」や「会社役員」といった権威性の高い職業が多く利用されています。例えば実在の著名投資家になりすまし「必ず儲かる投資方法を教える」と広告を出されたり、経済評論家や起業家の名前・写真を無断使用した広告がSNS上に流れるケースが後を絶ちません。権威ある人物からの情報だと思い込むと、人はつい信じてしまい「嘘の広告をクリック→SNS上でやり取り開始→相手を信用」といった流れで深みにはまってしまいます。

  • 周囲の成功談による安心感(社会的証明): 詐欺グループは巧みに**「他の人も儲かっている」と信じ込ませます。例えば被害者を招き入れたSNSやチャットグループ内に多数のサクラ(共犯者)を配置し、「先生のおかげで○○万円利益が出ました!」と次々に成功談を投稿させます。前述の60代女性のケースでも、参加したLINE投資グループで「みんなが利益を出している」様子が演出され、彼女はそれを見て安心感と「自分も」という欲**が高まったと述懐しています。他人の成功例を見ることで疑いが薄れ、「自分だけ取り残されたくない(FOMO:見逃しへの恐怖)」という心理も働き、詐欺への抵抗感が低下します。

  • 断れない性格・互酬の心理: 詐欺師は親切な態度で接近し、投資のアドバイスや些細な「得」をまず与えてくることがあります。例えば偽の投資サイト上で少額の利益をわざと出させ、「ほら儲かったでしょ」と恩を着せるのです。被害者は一度でも利益を得たり恩恵を感じると互酬性の原理が働き、「この人の頼みは聞かなければ」という気持ちになります。また「断ったら悪い」「ここまで尽力してくれたし…」と相手に合わせてしまう性格の人も狙われやすいです。善良で人を疑うことが苦手な人ほど、誘われるままに深みにハマってしまう傾向があります。

  • 正常性バイアス(根拠なき自信): 興味深いことに、「自分は騙されない」と思い込んでいる人ほど詐欺に遭いやすいとも言われます。京都府立医大の上野大介氏は、多くの被害者が家族に対して「自分は大丈夫」「詐欺なんか見抜ける」と過信していたと指摘しています。こうした正常性バイアス(自分だけは大丈夫という心理)があると、詐欺のニュースを聞いても「自分には関係ない」と油断し、結果として初歩的な誘いにも引っかかってしまうのです。被害届提出後でさえ「次は大丈夫」と思い込んでしまい、再び類似の詐欺に遭う二次被害に陥るケースも報告されています。

以上のように、SNS投資詐欺では人間の様々な心理的スキが狙われます。孤独や不安につけ込み、欲望や承認欲求を刺激し、権威や周囲の声で判断を麻痺させ、正常性バイアスで油断させる――これらの心理戦に巻き込まれることで、被害者は次第に詐欺師の思うまま行動してしまうのです。

3. 専門家の分析・心理学的な視点からの解説

このようなSNS投資詐欺の蔓延を受けて、犯罪心理や消費者心理の専門家たちも分析・解説を行っています。専門家の視点から浮かび上がるポイントを整理すると以下の通りです。

●詐欺グループの巧妙な心理操作: 犯罪手口に詳しいジャーナリストの多田文明氏は、「SNS上で有名人を騙る広告から偽の投資サイトに誘導される被害が後を絶たない」と指摘しています。たとえば経済評論家になりすました広告をInstagramで見てLINEグループに誘導され、8億円以上もの金を騙し取られた70代女性のケースまで発生しており、被害額は年々膨れあがっています。多田氏は、FacebookやInstagramといった大手SNSプラットフォーム上で虚偽の投資広告が容易に掲載できてしまう現状にも警鐘を鳴らしています。つまり、プラットフォーム側の審査の甘さも相まって被害が拡大しているという分析です。これは被害者心理というより社会的な要因の分析ですが、「著名人のお墨付き」に見える広告に人々が安心してしまう心理(権威への服従)を看過できない状況だと言えます。

●高齢女性が特に危ない理由: 認知心理学を研究する上野大介氏は、「詐欺被害者は圧倒的に高齢女性が多い」と述べています。その背景として、専業主婦など在宅時間が長く電話や訪問を受けやすいこと、家計管理を任されており自分で支払い等を完結できることを挙げています。電話や訪問での詐欺(オレオレ詐欺等)の分析ですが、これはSNS詐欺にも通じる点があります。高齢女性は詐欺師から見ると「アクセスしやすく、金銭の裁量も持っているターゲット」であり、さらに「自分は騙されない」「自分が家族を守る側」という意識が強い人も多いため、逆に付け込まれやすいといいます。一方で高齢男性の場合、インターネット上の架空請求詐欺などに引っかかる例が多く、若者についてはSNS上のマルチ商法(高収入バイトや情報商材系)による被害が増えていると分析されています。年代・性別ごとの傾向を踏まえ、専門家はそれぞれに適した対策啓発が必要だと強調します。

●人はなぜ騙されるのか: 詐欺師が用いる典型的な心理テクニックについても分析があります。たとえば北海道警の資料では、特殊詐欺で使われる手口として①返報性(互酬性)の原理、②不安を煽って具体的指示を出す手法、③段階的要請(ドア・イン・ザ・フェイス)、④大量アプローチによる引っかけ、⑤他人と接触させない(孤立化)といったポイントが挙げられています。SNS投資詐欺の場合も、これらのテクニックが複合的に使われています。心理学者は特に、被害者を周囲から孤立させ客観的助言が届かない状況に置く手口(⑤)や、「少しでも不審に思ったら相談を」といった周知が重要だと説いています。また、詐欺師は小さな利益や恩恵を与えて気を許させてから大金を奪う戦術(これは返報性や一貫性の原理に基づく)も取るため、たとえ少額でも「儲かった」という話には安易に乗らない警戒心が必要だと指摘されます。

●「断る力」の重要性: 上野氏は「詐欺被害を防ぐには**『断る力』が大切」と述べています。勧誘を受けたときに曖昧にせずきっぱり断る、自分一人で判断せず他人に相談するといった主体的な拒否・相談行動**ができるか否かで被害リスクは大きく変わります。詐欺に遭いやすい人の特徴として「相手の頼みを断れない」「Noと言えない優しさ」が挙げられることもあり、専門家は日頃から「おかしい話には距離を置く」訓練や心構えが必要だとアドバイスしています。心理学的には、断ることで一時的に相手に嫌な思いをさせても自分の安全を守る方が優先であり、その罪悪感を感じすぎないようにするメンタルトレーニングも推奨されています。

●被害者は恥ずかしさから沈黙しがち: 専門家はまた、被害後の心理にも着目します。詐欺被害に遭った人は「自分が騙されたと認めたくない」「周囲にバカだと思われたくない」という思いから沈黙しがちです。しかしそれでは被害が表面化せず、他の人への警鐘にもなりません。現在、被害者が連帯してSNS運営企業に対し訴訟を起こす動きもあります。こうした行動は再発防止策の推進にもつながるため、専門家は「泣き寝入りせず声を上げること」も呼びかけています。また、被害に遭った方への心理的ケアも重要であり、周囲は非難ではなく支援の姿勢で接するべきだとされています。

以上のように、専門家の分析からは**「人の心理の弱み」を狙う詐欺師の戦略それに対抗する心構え**が浮き彫りになります。誰しも騙される可能性があることを認識し、「おいしい話」を疑う習慣や、断る勇気・相談する勇気を持つことが心理学的にも有効な防衛策といえます。

4. 実例に見る典型的な被害者の特徴と行動

実際に報告されているSNS投資詐欺の事例から、被害者に共通する特徴や行動パターンをまとめます。典型的な例として以下のようなストーリーが繰り返されています。

  • きっかけは魅力的な誘い: 被害者はたいていSNS上で**「必ず儲かる」「限定オファー」といった魅力的な宣伝やメッセージを目にします。例えば、ある60代男性はインターネット上で著名人が投資を勧める広告を見かけて興味を持ちました。また別のケースでは、60代主婦が将来の不安からYouTubeで投資動画を探している際に有名実業家(堀江貴文氏)の姿を使った広告**に誘導されました。被害者はいずれも「そんなに確実に儲かるなら自分も…」と考え、広告のリンクをクリックしたり連絡先を登録してしまいます。

  • SNS上での親密化とグループ参加: 勧誘に応じた被害者は、まずSNS上で犯人(またはその仲間)とコンタクトを取ります。ケースによっては**「専門家を紹介する」「投資グループに招待する」などと言われ、より閉ざされた場(LINEの個別チャットやグループチャット)へ誘導されます。50代女性の事例では、著名人を名乗るアカウントに接触され「投資グループの先生の言うとおりにすれば必ずもうかる」と誘われて投資グループに加入しました。こうしたグループ内では他のメンバー(多くはサクラ)が次々と利益報告**を行い、被害者は「本当に儲かっている人が大勢いる」と信じ込んでいきます。また、犯人側は被害者に対し終始フレンドリーかつ専門家然とした態度で接し、被害者との信頼関係を構築しようと努めます。

  • 少額投資と偽の成功体験: 被害者がすぐ大金を出すケースは稀で、最初は少額の投資から始まることが多いです。犯人は「お試しでいいので」「まずは◯万円から」とハードルを下げ、被害者に振り込みをさせます。例えば、唐田さん(仮名)は勧誘されたFX投資サイトに試しに10万円を入金しました。犯人はこの入金に合わせて偽の投資サイト上で数字を操作し、被害者の口座に利益が出たように見せかけます。場合によっては少額の出金を許可し、「ほら本当に儲かったでしょう」と信用させることもあります。このように最初に小さな成功体験を演出することで、被害者は「もっと大きく投資すればもっと儲かるはず」と考え、深みにハマっていきます。

  • 追加投資の要求とエスカレートする支払い: 被害者が一度乗ってくると、犯人は次々と追加の送金を要求します。その手口は巧妙で、「もっと資金を増やした方が利益率が上がる」「特別なプレミアム相場はあと僅かで終わるから今追加投資を」と焦らせる手を使います。また、いざ「利益を出金したい」と被害者が言い出すと、「出金するには手数料が必要」「今出金すると元本が戻らない」などと言って支払いを促します。50代女性の事例では、投資グループ内で利益が出ているのを確認して安心しきった後、「もっと儲けたければ金額を増やせ」と言われるまま総額1億円以上を振り込んでしまいました。彼女は銀行振込だけでなくコンビニで電子マネーカードを数百万円分購入し、そのコード番号を犯人に送り教えるという形でも支払っています。これは銀行送金が限度額に達した被害者に追加出資させるための手口で、非常に危険です。

  • 借金や貯金の切り崩し: 犯人の要求額が大きくなると、被害者は手持ちの貯金だけでは賄えなくなります。それでも「ここで止めたら今までの投資が無駄になる」「借金してでも払えば取り戻せる」と思い詰め、借金や退職金の投入に走ってしまうケースが見られます。先述の60代女性(唐田さん)は、当初100万円しか貯金がなかったにもかかわらず、詐欺グループの巧みな誘導で総額1900万円もの借金を背負ってしまいました。これは犯人に「もっと大金を入れないと十分な利益が出せない」などと煽られた結果、消費者金融等から次々に借り入れてしまったものと考えられます。被害者にこのような判断能力の麻痺が起きるほど、詐欺師の誘導は執拗かつ巧妙なのです。

  • 突然の連絡遮断と発覚: 犯人は十分に金銭を搾り取ったと判断した時点で、突然連絡を断ちます。被害者が「出金したい」「連絡がつかない」と不安になっても、もはや誰も返信してきません。投資グループのチャットも消滅するか、残っていても誰も応答しなくなります。60代男性のケースでは、合計約6300万円を振り込んだあとで急に連絡が途絶え、ようやく詐欺だと気付いたといいます。「先生」と信じていた人物も、親切だった「アシスタント」も消え去り、残ったのはアクセス不能な偽サイトと消えた大金だけ…という最悪の結末に至ります。被害者は初めて自分が騙されていた現実を直視し、大きなショックを受けます。多くの被害者が**「まさか自分が…」**と茫然自失し、家族に打ち明けたり警察に通報して初めて全貌が明らかになるのです。

  • 典型的な被害者像: 実例から浮かぶ被害者の共通点として、「真面目で善良だがややお人好し」な人物像が見えてきます。彼らは決して一攫千金主義というより、「将来の不安を減らしたい」「家族に迷惑をかけたくない」という思いから話に乗っています。誘われれば断れず、困っていると言われれば助けてあげたいと考える優しい性格の人も多いようです。また、ネットリテラシーや投資知識が豊富ではなく、「SNSに流れてくる情報をつい信じてしまった」というケースも多々あります。被害者自身、「投資詐欺に遭った恥ずかしさ」から名乗り出ない人も多いですが、熊本県の60代主婦のように「被害が広まらないため多くの人に知ってほしい」と勇気を持って証言する方もいます。そうした生の声からも、被害者は決して特殊な人ではなく、誰にでも起こりうる普通の人々であることがわかります。

以上、SNSを悪用した投資詐欺の被害者について、典型的な特徴や心理的傾向、専門家の見解、そして実例から見る行動パターンを詳述しました。被害者像を知ることは、同じ手口への警戒心を高める上で重要です。「自分は大丈夫」と思わず、今回挙げた心理要因(孤独感・承認欲求・焦り・権威への盲信など)に心当たりがないか振り返ることが大切です。そして、少しでも不審な勧誘を受けたら家族や公的機関に相談する、うますぎる儲け話には断固NOと言う――このような心構えで、自らを詐欺被害から守っていきましょう。

参考文献・情報源: 警察庁・各県警の注意喚起資料【1】【5】【7】、警察庁統計データ【11】【13】、専門家による解説記事【16】【23】、報道機関の事例報道【22】【27】などを参照しました。被害防止の詳細なポイントや最新動向については、警察庁の「特殊詐欺対策ページ」や消費者庁の注意喚起情報も合わせてご確認ください。

まえださん、ご質問ありがとうございます。

欲求・特別扱いへの弱さ」という点について少し詳しくご説明いたします。

詐欺師は、人の**「自分は特別扱いされている」**という感情を巧みに利用します。


■ どういう心理なのか?

人は誰しも「他の人よりも選ばれた存在でありたい」「特別な存在だと認められたい」という承認欲求優越感を少なからず持っています。

そこに詐欺師は、

  • 「あなたには特別に教えます」

  • 「この情報は、一般には出回っていません」

  • 「あなたは選ばれた人だけが入れるグループの一員です」
    などと優越感をくすぐる言葉を使い、相手の気分を良くさせます。

このとき、被害者は「これは運命かもしれない」「やっとチャンスが巡ってきた」と思い込み、警戒心が一気に下がるのです。


■ 具体例

ある60代の主婦がLINEで誘われたケースでは、最初に「あなたは投資センスがありますね」と褒められ、その後「この投資グループは、限られた人しか招待されません」と言われて参加し、数百万円を失いました。

これは**「自分だけに知らされた情報」「自分には見る目があると認められた」**という心理を巧みに操作された例です。


■ なぜ信じてしまうのか?

詐欺師の言葉が心地よい
 → 普段あまり褒められない高齢者や孤独感を抱えた人は、このような言葉に敏感になります。

他人の意見を聞きにくい状況になっている
 → 「内緒にしてくださいね」と言われ、家族にも相談しなくなり、ますます一人で信じ込むことになります。

SNSという「身近な空間」で接触されている
 → テレビCMや訪問販売では警戒する人でも、SNS上の親しみやすいやり取りでは気を許してしまうのです。


■ 結論

この「特別扱いされている」と感じさせる手法は、人間の心理のごく自然な欲求を利用したものであり、必ずしも「頭が鈍くなったから騙された」のではありません。

むしろ、誰でも持っている「嬉しい」「信じたい」という感情を逆手に取られた結果だと言えます。


まえださんのように冷静に客観視できていれば、引っかかることはまずないと思います。ただ、身近な人が万一引っかかりそうになったとき、この**「承認欲求」や「特別扱い」というキーワード**を思い出して注意を促すのが有効です。

必要があれば、詐欺防止のための「家族用チェックリスト」もお作りできます。お気軽にどうぞ。



コメント