「パナマ文書」は“倒習”の導火線になるか

今回のパナマ文書事件が中国を如何に揺らがしているかの詳細レポートです。情報がインターネットで即時に世界に伝播し、どのような秘密情報もインターネットの力によって漏洩を免れることが出来ない時代になっています。
一党独裁という体制がどこまで維持できるのか...「独裁」という制度は腐敗が必ず中心部に存在するのは歴史が証明している。
指導部はこの「クサイもの」を覆い隠すことに執心しなければならないけど、さて...いつまで可能なのだろうか?

「パナマ文書」は“倒習”の導火線になるか

  • ICIJにも同じデータが送られ、各国記者らが協力して裏取し、裏取したデータについては、ICIJのサイトで公開されている。データはまだすべて裏取が終わっているわけではなく、裏取が終わり次第、残りもサイトなどを通じて公表されるという。
  • モサック・フォンセカは世界第4位のオフショア関連法律事務所で、...この機密が流出したかは不明だが、目下の報道では、内部リークというよりは外部からのハッキングではないかという説が強い。
  • 筆頭は、党総書記にして国家主席の習近平の姉・斉橋橋の夫、つまり義兄の鄧家貴。彼はカナダ籍で、1996年に斉橋橋と結婚。もともと不動産企業家として優秀であったが、習近平のコネをフルに使って、レアアース利権などにも食い込み、....
  • さらには毛沢東の孫娘・孔東梅の婿・陳東昇はバージン諸島にキーンベスト・インターナショナルという会社を2011年に設立。....13年の「新財富」誌による長者番付ベスト500では夫婦で50億元の資産を持ち242位というセレブである。
  • 思い出すのは、2012年6月末の、米ブルームバーグのスクープ。斉橋橋夫婦の蓄財の中身についてはかなり詳細に報じられていた。この時、夫婦2人で11企業を所有し、その資産合計は少なく見積もっても3億7600ドルは下らない、と報じられた。ちなみに同じ年にニューヨークタイムズが報じた温家宝・前首相ファミリー不正蓄財疑惑では合計資産27億ドルと報じられている。
  • その後のブルームバーグ北京・上海支局に対する習近平政権の圧力は、尋常ではなかった。抜き打ち調査を行い、ブルームバーグ記者のジャーナリストビザ更新を盾にとって報道の自由を奪った。
  • 2015年4月にはニューヨークタイムズが、習近平、胡錦濤、温家宝らのファミリーが、不動産王・王健林率いる「万達集団」の株を取得していたという香港発情報を報道。斉橋橋夫婦運営企業が2009年に取得した株を13年に購入時の8倍の2.4億ドルで譲渡したという。
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米通商代表部(USTR)が先月末、中国のネット検閲システムを初めて貿易障壁と位置づけたのだ。
グーグル、フェイスブック、ツイッターなど世界の名だたるサイトの多くが中国ではアクセスできない。排除されているネット企業からみれば、市場参入の機会を奪われているということになる。


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