2025年のノーベル生理学・医学賞は、メアリー・E・ブランコウ氏、フレッド・ラムズデル氏、坂口志文氏の3人が受賞した。スウェーデンのカロリンスカ研究所が6日発表した。
受賞理由は、TVで聴いても分かりにくいですね。AIさんに解説してもらいました。
中学生にも分かる「受賞の骨子」
1) 何が評価されたのか(ざっくり)
私たちの体には、**外敵を攻撃する力(アクセル)**と、行きすぎを止める力(ブレーキ)の両方があります。
今回のノーベル賞は、このブレーキの仕組みを見つけて仕組みをはっきり説明し、病気の治療につながる道を開いたことが評価されました。
2) 「中央寛容」と「末梢寛容」って何?
学校にたとえて説明します。
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中央寛容(central tolerance)=「校門でのチェック」
体の中では、**胸腺(きょうせん)や骨髄(こつずい)**という“校門”で、自分の体をまちがって攻撃しそうな免疫細胞(不良生徒)をできるだけ入れないようにしています。ここで多くははじかれます。 -
でも、すり抜ける子もいる。
校門チェックだけでは完璧ではないので、一部の“問題児”が教室まで入ってしまいます。 -
末梢寛容(peripheral tolerance)=「校内の見回り」
そこで、学校の中(=体のすみずみ)でも見回り係がいて、暴走しそうな免疫の動きを静かに止める仕組みがあります。これが「末梢寛容」です。
今回の受賞は、校内の見回り役の正体と、その動かし方をはっきり示した研究に対して与えられました。
3) 規制性T細胞(Treg)=校内の“風紀委員”
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1995年、坂口志文(さかぐち しもん)先生は、T細胞という免疫細胞の中に、ブレーキ役の特別な集団がいることを確かめました。
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このブレーキ役を**規制性T細胞(Regulatory T cell, Treg/ティーレグ)**と呼びます。
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Tregは、自分の体をまちがって攻撃する流れを見つけると、周りの免疫細胞に「落ち着いて」と合図して、自己免疫や炎症の暴走を防ぎます。
たとえ:
T細胞(ふつうの生徒)=授業(外敵への攻撃)に一生けんめい
Treg(風紀委員)=教室の空気を整え、やりすぎを止める
4) FOXP3という“司令塔”=風紀委員の「生徒手帳」
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2001年、Brunkow(ブランコー)先生とRamsdell(ラムズデル)先生たちは、FOXP3(フォックス・ピー・スリー)という遺伝子が、TregをTregらしく働かせる司令塔だと示しました。
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FOXP3がうまく働かないと、Tregの機能がくずれて、人でもマウスでも重い自己免疫の病気が起きます。
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つまり、FOXP3=Tregの身分証・ルールブック。この発見で、Tregをどう増やす・どう活かすかという治療の研究が一気に進みました。
5) まとめ(だれが、何をした?)
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坂口先生:
Tregという“風紀委員”細胞が本当にいることを証明(1995年)。
→ 「末梢寛容(校内見回り)」の中心がTregだとはっきりさせた。 -
Brunkow先生・Ramsdell先生:
**FOXP3という遺伝子が“風紀委員の生徒手帳(司令塔)”**だと特定(2001年)。
→ Tregの正体と働き方を遺伝子のレベルで説明できるようにした。
この流れで、自己免疫・アレルギー・移植の拒絶などを、**Tregの力で“静かに整える治療”**へとつなげる道が開けました。
6) 用語ミニ辞典
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寛容(tolerance):攻撃しない・おさえる仕組み
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中央寛容:胸腺・骨髄での入口チェック
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末梢寛容:体のいろいろな場所での見回り
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T細胞(T cell):免疫の主力選手
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規制性T細胞=Treg:ブレーキ役・風紀委員
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FOXP3:Tregらしく働くための司令塔遺伝子(身分証・ルールブック)
7) 一言で
「免疫は、強ければ強いほど良い」ではありません。
強さ(アクセル)と制御(ブレーキ)のバランスが大切です。
今回の受賞は、そのブレーキの正体(Treg)と、その司令塔(FOXP3)を突きとめたことへの表彰です。
=== 別のAIさんによる解説 ====
中学生にも分かるように坂口志文先生の貢献を解説します。
1. 人の体と免疫の見張り
体には、外から入ってきた細菌やウイルスなどの「外敵」を退治する免疫(めんえき)という仕組みがあります。でも、時々間違って、自分自身の細胞を攻撃してしまうこと(これを「自己免疫疾患」といいます)も起こります。
2. 坂口先生の発見
坂口先生は「制御性T細胞(せいぎょせいティーさいぼう、Treg)」という特別な免疫の細胞を見つけました。この細胞は、他の免疫細胞が暴走して“自分の体”を攻撃しすぎないよう、ブレーキの役割をしています。
免疫細胞が間違いを起こさないよう見張る“調整役”
もしこの細胞がいなくなると、体は自分自身を攻撃して病気になってしまいます
3. この発見がなかった時代
昔は、免疫が「自分」と「外敵」を見分けるのは最初から決まっていると考えられていました。でも実際は、常に“間違い”を起こしそうな細胞がいる。坂口先生は「その間違いを止める専用細胞がいるはず」と考えて、1995年に証明したのです。
4. どんな役に立つ?
自己免疫疾患(体が自分を攻撃する病気)やアレルギーの治療方法の開発につながっています。
がんや移植医療など、免疫の働きを“ちょうど良く保つ”方法を考える基礎にもなっています。
まとめると、坂口先生の貢献は「体の免疫システムに“暴走しすぎを止める安全装置”があることを発見してくれた」というものです。この細胞のおかげで、体が自分自身を守るバランスを保っているという“しくみ”が世界中に理解されました。
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