まえださん、2025年ノーベル化学賞の内容を中学生にも分かるように説明します。
北川 進(きたがわ すすむ)京都大学理事・副学長、高等研究院特別教授
どんな発明なの?
今回の賞は「メタル有機構造体(MOF)」という、分子の建物のような新しい材料を作った研究者たちに贈られました。
MOFは金属と有機分子が組み合わさってできたナノサイズのジャングルジムみたいなものです。中にはたくさんの小さな部屋(穴)があるので、いろいろな物質(ガスや水分など)を出し入れできる特徴があります。
何がすごいの?
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とても軽くて穴だらけ: 1グラムでサッカー場1面分くらいの壁(表面積)を持つ。
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デザインが自由自在: 組み合わせる金属や分子を変えることで、穴の大きさや性質を変えられる。
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水や二酸化炭素を集める力: 砂漠の空気から水を集めたり、排ガスの中のCO₂を選んで吸着したり、環境やエネルギー分野で活躍。
生活の何に役立つの?
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空気清浄機や水浄化: 水や空気の中の有害物を吸着してきれいにする。
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ガス(CO₂や水素など)の吸収や貯蔵: 地球温暖化対策やクリーンエネルギーに使われる。
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ドラッグデリバリー: 薬の成分を効率よく体に届ける新しい方法にも応用。
どうしてノーベル賞なの?
MOFは、分子レベルで建物のように構造を自由に作れる「分子の建築技術」。
従来は難しかったガスや水の集め方・分離・貯蔵・環境浄化など、未来の社会を支える新しい材料として革新的だったためです。
MOFは、理科や環境、エネルギー問題の解決にもつながる、とても夢のある発明です。
- https://lushbooklife.com/news-of-predictions-for-the-nobel-prize-in-chemistry/
- https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG304J70Q5A930C2000000/
- https://note.com/_takumi_inoue_/n/nd341154c1fd2
- https://chematels.com/article/cmbkh3ut20546071ar8joi7gw
- https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/20251001post-574.html
- https://innovatopia.jp/quantum/quantum-news/67645/
- https://www.chem-station.com/blog/2025/09/nobel2025pre.html
- https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG119KI0R10C25A9000000/
- https://note.com/arafune/n/nc62ed09df42b
- https://www.yomiuri.co.jp/science/20250928-OYT8T50031/
北川進氏は、金属有機構造体(MOF)の創始者の一人で、その「狙った物質を内部にとじ込められる」MOFの研究が、脱炭素、創薬、化学といった幅広い産業の発展に貢献すると評価され、2025年のノーベル化学賞を受賞しました。MOFは無数の微細な孔を持つ多孔性材料で、高い比表面積とガス吸着・貯蔵能力を持つことから、様々な分野での応用が期待されています。
MOF(金属有機構造体)について
概要:金属イオンと有機配位子が結合してできる、均一な微細孔を持つ多孔性材料です。
特徴:高い比表面積::非常に多くの空洞(孔)を持つため、非常に高い表面積を持ちます。
ガス吸着・貯蔵::この微細な孔に、特定のガスを吸着させたり貯蔵したりする能力があります。
用途:
環境保全::天然ガス貯蔵や温室効果ガス(二酸化炭素など)の分離。
創薬・医療::医薬品の担体や薬剤の運搬システムへの応用。
エネルギー::水素やメタンなどのエネルギー貯蔵材料。
その他::消臭剤や、宇宙での生命維持システムなど、多岐にわたる分野で革新をもたらす可能性を秘めています。
北川進氏の功績
1997年に京都大学の北川進教授(当時)が発表した「多孔性配位高分子(PCP/MOF)」は、MOF研究のブレイクスルーとなりました。
この研究が、脱炭素社会の実現や新たな医薬品の開発、化学産業の発展に寄与することが高く評価され、リチャード・ロブソン氏、オマー・ヤギー氏と共に2025年のノーベル化学賞を受賞しました。

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