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第39期通常総会の議事録を読む――11議案の結果と、記録に残った宿題 [1]

連載 議事録を読む[1/3] 朝日センチュリーみずほ台管理組合 D棟504号室 前田利人/2026年11月4日 10月31日の朝、第39期通常総会(9月26日開催)の議事録が各戸に配られました。総会から35日後です。署名日は10月24日、本文13ページに、欠席者の意見書への回答表と、第6号議案の工事価格の比較表が添えられています。 議事録を三回に分けて読み解いてゆきます。まず、第一回を公開いたします。 議事録は、総会に出なかった多くの方にとって、何が決まり、何が話し合われたかを知る唯一の記録です。読みやすいように整理し、ところどころに私のコメントを添えます。 この連載の構成 第1回(本記事)  11議案の結果と、記録に残った宿題 第2回 総会の10日前に出した申入書は、どう扱われたか 第3回 「単棟型に近い」という説明を、規約の条文と照らす 出席と採決の結果 組合員総数は492名、議決権総数は496です。会場に出席した方は45名、委任状は141名、議決権行使書は221名で、合わせて407名(議決権411)が出席扱いとなりました。 会場45 委任状141 議決権行使書221 出席扱い407名の内訳(人数)。会場にいたのは約1割です。 特別決議の前提として、議決権だけでなく「組合員総数の過半数」が出席していることも確認され、記録されています。 議案 賛成 反対 棄権・保留 第1号 業務報告・決算・監査報告 407 1 3 第2号 管理規約改訂 (特別決議) 406 2 3 第3号 修繕積立金の改定 401 7 3 第4号 いす式階段昇降機の設置 (特別決議) 381 20 10 第5号 エントランス門扉の撤去 (特別決議) 386 21 4 第6号 区分開閉器の設置・高圧ケーブル更新 400 4 7 第7号 スマート振込システム導入 396 8 7 第8号 第40期業務計画 410 0 1 第9号 第40期予算 406 3 2 第10号 管理委託契約の更新 408 2 1 第11号 役員改選 408 1 2 数字は議決権数。全11議案が可決されました。 コメント 委任状141票は、全議案で賛成に数えられています。反対票の多くは議決権...

第39期通常総会の議事録を読む――11議案の結果と、記録に残った宿題 [1]

連載 議事録を読む[1/3]

朝日センチュリーみずほ台管理組合 D棟504号室 前田利人/2026年11月4日

10月31日の朝、第39期通常総会(9月26日開催)の議事録が各戸に配られました。総会から35日後です。署名日は10月24日、本文13ページに、欠席者の意見書への回答表と、第6号議案の工事価格の比較表が添えられています。

議事録を三回に分けて読み解いてゆきます。まず、第一回を公開いたします。

議事録は、総会に出なかった多くの方にとって、何が決まり、何が話し合われたかを知る唯一の記録です。読みやすいように整理し、ところどころに私のコメントを添えます。

この連載の構成

  1. 第1回(本記事) 11議案の結果と、記録に残った宿題
  2. 第2回 総会の10日前に出した申入書は、どう扱われたか
  3. 第3回 「単棟型に近い」という説明を、規約の条文と照らす

出席と採決の結果

組合員総数は492名、議決権総数は496です。会場に出席した方は45名、委任状は141名、議決権行使書は221名で、合わせて407名(議決権411)が出席扱いとなりました。

会場45
委任状141
議決権行使書221

出席扱い407名の内訳(人数)。会場にいたのは約1割です。

特別決議の前提として、議決権だけでなく「組合員総数の過半数」が出席していることも確認され、記録されています。

議案 賛成 反対 棄権・保留
第1号 業務報告・決算・監査報告40713
第2号 管理規約改訂(特別決議)40623
第3号 修繕積立金の改定40173
第4号 いす式階段昇降機の設置(特別決議)3812010
第5号 エントランス門扉の撤去(特別決議)386214
第6号 区分開閉器の設置・高圧ケーブル更新40047
第7号 スマート振込システム導入39687
第8号 第40期業務計画41001
第9号 第40期予算40632
第10号 管理委託契約の更新40821
第11号 役員改選40812

数字は議決権数。全11議案が可決されました。

コメント

委任状141票は、全議案で賛成に数えられています。反対票の多くは議決権行使書から出ています。会場に来られない方が、議案を読んで自分で賛否を示すことの意味が、数字に表れています。

議案ごとの主な質疑

第1号 業務報告・決算

  • マンション管理の適正評価は64点でした。最大の減点要因は修繕積立金の不足です。理事会側は「管理規約が最新の標準管理規約に沿っているかも大きなポイント」と答えています。
  • 駐車場収入は予算より180万円少なく、実態調査を次期理事会で検討します。
  • 定期床面清掃費は、業者が約85%の値上げを求め、調整の結果約10%の値上げになりました。次期に妥当性を検証するとしています。

第2号 管理規約改訂

  • 手本を単棟型の標準管理規約にした理由について、管理会社が「規約や運用は単棟型に近い」と説明しました。会場とC棟の意見書から「当マンションは団地型だ」との指摘があり、「次期理事会で検討する」とされました。

コメント

D棟の私も、6月30日に理事会へ出した検証報告書と、総会10日前の申入書で、「当マンションは団地型であり、団地型の標準管理規約を手本にすべきだ」と指摘していました。ただし議事録の第2号議案の記録には、私の指摘は出てきません。その扱いについては第2回で書きます。

また、管理会社の説明は議案書には書かれていませんでした。大事な問題なので、第3回で条文を示して詳しく書きます。

第3号 修繕積立金の改定

  • 排水管の劣化調査報告書(9月5日提出)は理事会内で共有されましたが、全戸には配られていません。結果は「5~10年は問題ない」で、排水管工事は2033年度から2036年度頃へ先送りできる見込みです。
  • 理事会側は「今のままでは今後30年間で約2億円の資金不足が見込まれる」と答えています。
  • 長期修繕計画は、管理費会計から毎年200万円を繰り入れる前提です。管理費会計には約6,000万円の余剰があるとの意見があり、管理費の見直しを次期理事会で検討します。

コメント

「約2億円の不足」が、今回の値上げ前の見通しなのか、値上げ後も残る不足なのかは、記録からは読み取れません。12月7日の引き落とし前に配られる資料で、ぜひ明らかにしてほしい点です。調査報告書も、全戸に配るか、少なくとも要旨を知らせてほしいと考えます。

第5号 門扉撤去

  • 「2年後に大規模修繕があるのに、なぜ小さな工事を小出しにするのか」との意見があり、躯体の補修は大規模修繕委員会で検討するとされました。

第6号 電気設備工事

  • 3社の見積金額の比較表が添付されました。管理会社が2,882万円で最安、他の2社は約3,112万円と約3,140万円でした。
  • 費用は「全体負担」です。受電設備は付属施設に当たり、規約第26条第4項により全体で負担する、という説明でした。
  • 工事は2027年3月の予定で、部材の調達に時間がかかるためとされています。

コメント

比較表の添付は、会場からの要望にも応えたもので、評価します。一方、工事中の停電(約8時間)と発電機の費用については、議事録に記載がありません。

第7号 スマート振込

  • この議案の質疑で出た意見は1件だけで、スマート振込そのものではなく、総会の進め方全体についての意見でした。大事な点なので、次の章で取り上げます。

第8号 業務計画

  • 大規模修繕について「委員に加わる理事が2名では少ない」「前回の施工業者を選定対象から外してほしい」「第3回大規模修繕は約5億3,000万円以内で」といった意見が出て、「議事録に残し、大規模修繕委員会で検討する」とされました。
  • 理事会ニュースのホームページへの掲載について、「現在は掲載済み」と回答されています。

コメント(私の意見)

第3回の大規模修繕は、5億円を超える、このマンション最大の事業です。費用は全戸の修繕積立金から出ます。だからこそ、それを準備する大規模修繕委員会には、できるかぎり開かれた運営を望みます。具体的には、次の三つです。

  1. 会議資料を公開すること。見積書、図面、調査結果など、委員会で検討した資料を、組合員がいつでも見られるようにしてください。
  2. 議事録を早く公開すること。委員会のたびに、何が話し合われ、何が決まったのかを、日を置かずに知らせてください。
  3. 委員でない区分所有者の声を受け止めること。誰でも、いつでも意見や質問を出せる窓口を設け、出された意見がどう扱われたかも分かるようにしてください。

そのための手段として、管理組合のホームページやメールなど、ウェブの技術を活かしてほしいと考えます。紙の配布と掲示だけでは、情報が届くまでに日数がかかり、受け取った側から声を返す道も細くなります。理事会ニュースのホームページ掲載はすでに始まっています。その一歩を委員会にも広げ、情報を早く出し、住民同士が意見を交わせる場にしてほしいのです。紙でしか情報を受け取れない方のために、紙の配布も続けることが前提です。

開かれた議論を経て決めた修繕なら、多くの組合員が納得して費用を負担できます。委員会の検討を実りあるものにする一番の近道は、そこにあると考えます。

総会で議案を説明したのは誰か

議事録は、議案ごとに「誰が議案を説明したか」を記録しています。並べると、次のとおりです。

議案 議案を説明した者
第1号 業務報告・決算議長、会計担当理事、監事
第2号 管理規約改訂管理会社
第3号 修繕積立金の改定管理会社
第4号 いす式階段昇降機副理事長(進行役)
第5号 門扉撤去管理会社
第6号 電気設備工事
管理会社自身が受注する工事
管理会社
第7号 スマート振込管理会社
第8号 業務計画議長
第9号 予算会計担当理事
第10号 管理委託契約の更新
管理会社自身との契約
管理会社
第11号 役員改選議長(候補者の紹介)

議事録の「議長の指示を受け、朝日管理(株)より議案説明があった」などの記載から整理。

11議案のうち6議案を、管理会社が説明しました。管理規約、修繕積立金、管理会社自身が受注する工事、管理会社自身との契約。このマンションの土台とお金に関わる議案が、そろって管理会社の説明で審議されています。

第7号議案の質疑で、会場から次の意見が出ました。

先ほどから管理会社による議案説明を受けている。これでは、各議案を管理会社が提案しているという印象を受ける。管理会社に提案権はなく、提案権は理事会の権限であり責任でもある。議案の補足説明を管理会社が行うのは良いが、説明は理事会が主体的に責任を持って行うべきである。

回答は「検討させていただく」でした。そして、その次に審議された第10号議案(管理会社自身との契約の更新)も、管理会社が説明しています。

コメント(私の意見)

私は、この会場の指摘に全面的に賛成します。これは、スマート振込の一議案の話ではありません。総会という、管理組合の最高の意思決定の場を、誰が運営しているのかという問題です。

管理会社は、管理組合から委託を受けて仕事をする立場です。議案を作り、組合員に説明し、質問に答えて賛成を求めるのは、組合員に選ばれた理事会の役目です。数字の補足や技術的な説明を管理会社に頼むことは、あってよいと思います。しかし、議案そのものの説明と、「なぜそうするのか」という問いへの答えまで管理会社が担うのであれば、組合員は誰の判断に賛否を投じているのか分からなくなります。

とりわけ、管理会社自身が工事を受注する第6号議案と、管理会社自身との契約である第10号議案を、当の管理会社が説明したことは、立場の上で問題があると考えます。説明する側と、利益を受ける側が同じだからです。

この形が当たり前になれば、管理組合の意思決定の主導権は、いつの間にか委託先へ移っていきます。そうなってからでは、取り戻すのは容易ではありません。理事会には、「検討させていただく」の結果として、来年の総会からは理事が自ら議案を説明する形に改めることを求めます。

欠席者の意見書への回答

巻末に、総会を欠席して意見書を出した方への「一次回答」の表があります。棟ごとに、意見の要旨と回答が並んでいます。多くは「理事会で検討します」「貴重なご意見として承ります」という回答です。

D棟の欄には、私が出した申入書と意見書についての記載があります。その扱いについては、第2回に書きます。

記録に残った「宿題」

議事録には、「次期理事会で検討する」とされた項目が10件を超えます。主なものは次のとおりです。

単棟型・団地型の別 管理費の見直し 駐車場の実態調査 清掃費の妥当性 管理会社による議案説明のあり方

10月24日の理事会の報告(理事会ニュース11月号)は、これらについて「引き続き検討していく方針を確認しました」の一文でした。何を、いつまでに検討するのかは、まだ示されていません。

まだ届かないもの

議事録は届きましたが、改正後の管理規約は、まだ配られていません。規約は総会の当日から効力を持っています。国土交通省の「マンション管理標準指針」は、管理組合の標準的な対応として「管理規約の改正時に各区分所有者及び占有者に配布している」ことを挙げています[1]。11月1日、早い配布を理事会に文書でお願いしました(提出した文書「改正後の管理規約の配布について(お願い)」)。

次に見るもの

  • 改正後の管理規約は、いつ配られるか。
  • 11月28日の理事会で、総会の「宿題」がどう扱われるか。
  • 12月7日の引き落とし前に配られる資料に、「約2億円の不足」の見通しが書かれるか。

次回(第2回)は、総会の10日前に私が理事会へ出した申入書と意見書が、この議事録でどう扱われたかを書きます。

追記 反対票は増えたのか――過去5年の議事録と比べる

今回の採決結果を見て、「反対が意外と多いのでは」と感じました。そこで、手元にある第34期から第38期までの議事録の採決表と並べてみました。

年度ごとの比較

期
(総会日)
議案数出席
議決権
うち
会場
うち
委任状
うち
書面行使
反対の
合計
1議案
あたり
最も反対が
多かった議案
第34期
2021年9月26日
63901413224481.3管理委託契約更新(3)
第35期
2022年9月25日
73912414422381.1決算報告(3)
第36期
2023年9月24日
73433212818340.6スロープ改修工事(4)
第37期
2024年9月28日
53732912921530.6決算報告(2)
第38期
2025年9月27日
937341135197131.4NURO光導入(9)
第39期
2026年9月26日
1141147141223696.3門扉撤去(21)

票数はすべて議決権数。各期の議事録の採決表から拾い出しました。

第39期の反対票は、11議案の合計で69です。第34期から第38期までは、5年間・34議案で合わせて36でした。1議案あたりにすると、約1.1から約6.3へ、およそ6倍です。

反対が5以上あった議案(6年間でこの5件だけ)

期議案賛成反対棄権・保留反対の出どころ議案を説明した者
第39期第5号 各棟エントランス門扉撤去(特別決議)386214会場2・書面19管理会社
第39期第4号 いす式階段昇降機設置(特別決議)3812010書面20副理事長
第38期第5号 NURO光導入36292書面9議長
第39期第7号 スマート振込システム導入39687会場2・書面6管理会社
第39期第3号 修繕積立金の改定40173会場2・書面5管理会社

毎年ある議案の反対数

議案第34期第35期第36期第37期第38期第39期
業務報告・決算030201
業務計画110000
収支予算220003
管理委託契約の更新300112
役員改選000001

決算・予算・業務計画・管理委託・役員改選といった毎年の議案は、第39期も例年と同じ範囲です。反対が増えたのは、新しい工事やお金に関わる議案です。

コメント(私の意見)

委任状は、6年間のすべての議案で「賛成」に数えられています。議長に委任することは、実際には全議案に賛成することになります。そのため、反対はほぼすべて議決権行使書から出ています。

議決権行使書で投票した人だけを見ると、第4号では約12%、第5号では約10%が賛成していません。全体の賛成率は93~94%ですが、議案を読んで自分で判断した人の「8~10人に1人」は賛成しなかった、ということです。

反対した方の理由は記録に残っていないため、ここから先は推し量るしかありません。それでも、この数字は理事会にとって大切な声だと考えます。総会の案内では、「委任状」と「議決権行使書」の違いを、ひと言書き添えていただけるとよいと思います。

注:第36期の第6号は、議事録の中で反対票の数字が食い違っています(内訳では1、合計では0)。表では合計の数字を採りました。数字はPDFの画像から読み取ったものです。誤りがあればご指摘ください。

規約の学習会を開きませんか

今回の総会でいちばん重い議案は、結果として第2号の規約改訂だったと考えます。これからの管理組合の運営の土台になるからです。けれども内容は分かりにくく、議案書を読むだけで理解するのは簡単ではありません。

そこで、住民どうしで規約を読む学習会を提案します。本来は、この分野の専門家をお招きして学ぶのが望ましいと思います。ただ、すぐには難しいので、希望される方が2人以上集まれば、まず私が講師役を務めて学習会を開きます。

参加してみたい方、関心のある方は、どうぞお気軽にお声を掛けてください。

メール:maeda@guaran.co.jp / D棟504号室の郵便受けへのお手紙や、会ったときのひと声でもかまいません。

出典

  1. 国土交通省「マンション管理標準指針」(2005年) 二(一)項目2「管理規約の周知」 国土交通省
  2. 朝日センチュリーみずほ台管理組合「2025年度(第39期)通常総会議事録」(2026年10月24日署名、10月31日配布)
  3. 同「理事会ニュース11月号」(2026年10月24日付)
  4. 同「通常総会議事録」第34期(2021年9月26日開催)~第38期(2025年9月27日開催)

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