「これだけ間違いや食い違いのある資料で、総会はきちんと成り立つのだろうか。」
配布された議案書を読みながら、私はそんな疑問を抱きました。
数字の不整合、説明の不足、判断の根拠が見えない提案――気になる点は一つや二つではありません。(重大な問題の一つが管理規約の改定に単棟型の条文で対応したことがあります。)
修繕積立金の値上げ、工事の発注、管理委託契約。どれも、私たちのお金と暮らしに直結する話です。
「例年どおり」「お任せします」で承認してしまって、本当によいのでしょうか。
総会で問われるのは賛否ですが、その前に、納得して判断できる資料が必要です。
そこで、議案書や関連資料を照合し、疑問点と改善を求める事項をまとめ、理事会に提出しました。
その提出資料を、今回まとめて公開します。
少し分量はありますが、個々の指摘を通して、議案全体に関わる問題も見えてきます。
ぜひ、すべての資料に目を通し、この議案にどう向き合うか、ご自身で考えていただければと思います。
20260916 第39期通常総会議案に対する意見 第2号議案を除く
20260914_管理委託契約・重要事項説明に関する意見_完成版
私は以下のように議決権を行使致しました。
議決権行使の各項目への賛成・反対・保留の理由を短く記します。
* 今回、私は上記に開示した資料で理事会に第二号議案の採決を行わないことを求めました。この件を分かりやすく以下に解説いたします。
[私] マンションの区分を国土交通省では、単棟型と団地型に分けています。管理規約のそれぞれに条文内容は大きく異なります。この部分を簡潔に教えてください。
📊 単棟型と団地型の主な条文内容の違い
| 項目 | 単棟型(1棟のみ) | 団地型(複数棟が所在) |
|---|---|---|
| 管理の対象 | 1つの建物とその敷地 | 敷地全体、共用施設(集会所等)、および全ての棟 |
| 意思決定の場(総会) | 1つの総会のみで、すべての議題を決定します。 | 「団地総会」と「棟別総会」の二層構造です。 ・団地総会:敷地や全体施設の管理 ・棟別総会:各棟の建て替えや補修など |
| 修繕積立金の区分 | 「管理費」と「修繕積立金」のシンプルな構成です。 | 「団地全体の修繕積立金」と「各棟別の修繕積立金」に細かく分けて規定されます。 |
| 建て替え等の規定 | 1つの棟の区分所有者の決議で決定します。 | 各棟の建て替えには、団地全体の承認に加えて、該当する棟ごとの決議(棟別総会)が必要になります。 |
💡 ポイント
- 単棟型は関係者が全員同じ建物にいるため、意思決定のルールがシンプルです。
- 団地型は、棟ごとの公平性を保つために「どこの修理に、どちらの財布(全体か各棟か)からお金を出すか」という区分や、それぞれの総会の権限分掌が条文に細かく書き込まれています。 [1, 3, 4, 5]
* ここまでは一般論です。ここからは、私が議案書の比較表(54〜84頁)を現行規約・改正法と条文ごとに照合して、確認できた事実を書きます。
当マンションの改正案で、実際に起きていること
比較表(54頁〜)の左の欄を見てください。手本は「マンション標準管理規約(単棟型)」、つまり建物が1棟だけのマンション用のひな形です。国土交通省は同じ日に「団地型」も公表していますが、そちらは使われていません。
当マンションはA棟からF棟までの団地です。現行規約には、全員で決める「総会」のほかに、その棟の人だけで決める「棟総会」(第8章)があり、修繕積立金も棟ごとに分けて管理しています(第26条)。1棟用のひな形には、棟総会の条文がそもそもありません。その結果が、次の3点です。
1. 「法律に合わせる」はずの改正が、棟総会だけ旧法のまま残ります(79〜80頁)
総会の特別決議は、改正法に合わせて「出席者の4分の3」に直されました(第45条)。ところが棟総会の第68条は「現行の管理規約と同じ」、つまり「総数の4分の3」のままです。総数を分母にする旧い決め方は、改正法の施行後は法律に抵触して無効になる――これは議案書47〜50頁に綴じ込まれた国土交通省のパンフレット自身が書いていることです。「改正法と整合する規約に改める」(46頁)という議案が、自分で掲げた目的を果たしていません。
2. 「総会で決める」と「総会では決められない」が、同じ規約に並びます(71〜72頁、79頁)
改正案の第45条には、建替えの決議や、共同の利益に反する行為をする人への訴えの提起などが、総会の決議事項として書き加えられました。1棟用のひな形を写したためです。しかし第67条はこれらを棟総会で決める事項と定め、第46条第2項は「第67条に掲げる事項は総会では決議できない」と明記しています。どちらも「現行と同じ」で残ります。
3. 棟を守る条文が、一言の説明もなく消えています(71〜72頁、46頁)
現行の第45条第4項は、ある棟の建物(外壁や屋上などの共用部分)の大きな修繕を総会で決めるとき、全体の多数決に加えて、その棟の人の出席と賛成を別に確かめるというルールです。比較表の左の欄(単棟型のひな形)には、この項に当たるものがありません。当マンションの規約が置いている、費用を負担する棟の意思を確認する仕組みです。改正案にはこの項がありません。規約変更で特別の不利益を受ける人の承諾(現行第6項・第7項)、通知した事項しか決議できないという規定(現行第8項)も、改正案の欄に見当たりません。削除なのか書き漏らしなのか、議案書からは分かりません。46頁の「主なポイント」3点にも、一言も触れられていません。
⚠️ まとめ
単棟型を手本にしたことだけで、直ちに違法になる、議案全体が無効になる、というわけではありません。申入書にもそう書きました。しかし、団地のマンションの規約を、団地ではないマンションのひな形で直した結果、上の3点が現に生じています。管理を受託する専門業者が作成し、理事会が承認して全戸に配った資料として、見過ごせる水準ではないと私は考えます。
規約の変更は特別決議です。矛盾を抱えたまま可決すれば、直すためにもう一度、特別決議が必要になります。だから私は「まず可決して、あとで直す」ではなく、「今回は採決を見合わせ、団地型を手本に作り直す」ことを求めました。条文ごとの詳しい指摘は、上に掲載した「第2号議案に関する申入書 本文」をご覧ください。要点を普段の言葉でまとめた記事は、こちらです:第2号議案(管理規約改訂)は、このまま採決されるのでしょうか?(9月21日公開)
【2026年9月21日 改訂】この部分には当初、Google Geminiとの問答の続きを掲載していました。その後、議案書の条文と照合した結果、「新旧対照表や改定の説明が配布されていない」(実際には46頁と54〜84頁に掲載されています。私の回答が不正確でした)、「棟別の修繕積立金や棟総会のルールがなくなる」(実際には第26条・第8章は残ります)、「決議は無効・100%敗訴」(一般論としても言い過ぎです)など、今回の改正案には当てはまらない内容が含まれていました。そのため、私自身が確認できた事実に差し替えました。
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